横須賀市で知的障害のある方が就労継続支援B型を利用するときに知っておきたい詳説

知的障害 × 就労継続支援 B 型
横須賀市の徹底ガイド
— 横須賀市内で実際に提供されている支援の考え方・作業の具体例・サービス利用開始までの流れ・よくある質問までを網羅的に解説 —
1.支援の根幹を支える 3 本柱
1-1 構造化と視覚的支援
知的障害のある利用者にとって「作業の見通し」は安心感そのものです。横須賀市内の B 型事業所では以下のような手法が普及しています。
- 時間割ボード
朝礼 → 作業① → 小休憩 → 作業② → 昼食 → 作業③ → 終礼 を 15 ~ 30 分単位でカード化。現在位置をマグネットで示し、次の予定が一目で分かる。 - 手順書のピクトグラム化
写真・イラストと短い文を組み合わせた A4 ラミネートを作業台に常備。例:パン包装なら①袋を開く ②パンを入れる ③ラベルを貼る ④賞味期限印字を確認。 - ゾーニングと色分け
作業スペース・休憩コーナー・トイレ・更衣室を床色シートやパーティションで明確に分離。「ここにいるときは集中」「ここではリラックス」と環境要因で切り替えを促す。
1-2 スモールステップと成功体験
横須賀市は B 型事業所数が多く、利用者の障害特性や経験値に応じて段階的に作業を移行できる環境が整っています。
- 工程の細分化 ― ラベル貼り作業を“位置合わせ・貼付・押さえ”の3 工程に分割し、1 工程をクリアするごとにチェックマークを付ける。
- タイムアタックより“出来栄え”重視 ― スピードより正確さを評価。ミスゼロを続けると次工程へ進めるルールで自信を積み上げる。
- 成果の可視化 ― 作業量を日報にスタンプで記録し、1 週間単位で「〇個達成」のバッジを渡す。ご家族にも共有し成功を強化。
1-3 具体的コミュニケーションと社会スキル
「挨拶・お願い・謝罪」の練習、交通機関利用、買い物体験──B 型事業所は生活全般の練習の場でもあります。
- 朝礼でのロールプレイ ― 「おはようございます」「お願いします」「ありがとうございました」を毎朝ペアで練習。
- 買い物学習 ― 月 1 回、近くのコンビニで 300 円以内で好きなおやつを購入。レジで「袋いりません」を伝える練習を設定。
- 地域交流 ― 市の清掃活動や地域イベントへ出店し、来場者と対面。実際のやり取りの中で“社会の声”に触れる。
2.横須賀市内 B 型事業所で一般的に行われている作業
作業ジャンル | 具体例 | 習得できるスキル |
---|---|---|
軽作業 | ねじ・ボルトの袋詰め/ケーブルタイ留め/DM 封入 | 手順遵守・集中力・数量確認 |
食品製造・包装 | パン・焼菓子の計量/袋詰め/シール貼り | 衛生管理・計量・期限管理 |
洗濯・リネン | シーツ洗濯→乾燥→畳み→袋入れ | 体力維持・清潔手順 |
清掃 | 事業所内・公共施設の掃き拭き/除草 | 道具管理・段取り |
園芸・農作 | 畑でサツマイモ・ハーブ栽培/草花の水やり | 季節理解・体力向上 |
リサイクル | アルミ缶回収→プレス/段ボール解体 | 分別ルール・安全手順 |
PCデータ入力 | 名簿入力/チラシ作成の文字打ち | 基本操作・タイピング |
工賃の現状(横須賀市総平均)
- 2024 年度市内 B 型平均:月 11,200 円
- 最多ボリュームゾーン:月 8,000 ~ 15,000 円
食品製造ラインは比較的高め(~18,000 円)
洗濯・清掃は低め(~10,000 円)
3.見学・体験で確認したい 8 つの視点
視点 | 具体チェックポイント |
---|---|
1 環境 | 時間割・作業手順が視覚化されているか/騒音・匂いは許容範囲か |
2 作業内容 | 興味を持てる選択肢が複数あるか/難易度が段階づけされているか |
3 支援体制 | 支援員 1 人あたり利用者 6~8 人以内か/医療的ケアが必要な場合の連携先 |
4 コミュニケーション | 指示は短く具体的か/褒め方は行動を具体的に示しているか |
5 安全 | ヒヤリハット報告・防災訓練の実施頻度/救急時マニュアル |
6 工賃体系 | 時給式か成果報酬か/支払い日と方法/昇給制度 |
7 送迎・交通 | 自宅近くの送迎/公共交通ルート/通所にかかる自己負担 |
8 家族連携 | 月次報告書や面談頻度/緊急時の連絡体制/情報共有ツール(連絡帳・アプリ) |
利用開始までのステップ(横須賀市モデル)
- 情報収集 ― 区役所高齢・障害支援課または相談支援専門員に希望を伝える
- 事業所見学 ― 3 ~ 5 か所回り、チェックリストを活用
- 体験利用(3 ~ 5 日) ― 本人が“できそう・楽しそう”と感じるか確認
- サービス等利用計画の作成 ― 相談支援専門員と面談し目標設定
- 受給者証の交付 ― 区役所窓口で申請、支給決定
- 利用契約 ― 工賃・送迎・利用日数・目標を文書で確認
- 通所開始 ― 半年ごとに支援計画レビュー、必要に応じて作業変更
まとめ
横須賀市の B 型事業所は、「見通し・成功体験・社会参加」 を三本柱に、知的障害のある方それぞれのペースに合わせた支援を提供しています。作業自体は全国的に一般的な軽作業・食品加工・清掃・農園などが中心ですが、海・自然・地域コミュニティとの繋がり を活かし、安心できる居場所と働く喜びを両立させている点が特徴と言えます。
まずはご本人が“ここなら続けられそう”と思える事業所を見学し、小さな成功体験を積み重ねる環境を選ぶことが、長期的なステップアップへの第一歩です。
私たちのB型事業所(横須賀市内)
法人代表 栁瀨和浩

東京福祉大学卒業 社会福祉士
サラリーマン、花屋を経て障害福祉経験13年。神奈川県内の障害者雇用に積極的な会社とのつながりが多い。(東京都出身)
代表の柳瀬和浩です。2010年から就労系障害福祉サービスの運営をしています。
私たちの事業所は「やさしさ」を行動の中心にしています。職員はメンタルのプレッシャーを与えないように、接する態度だけでなく仕事内容も全て調整しています。フラワーショップはありますが、花を触りたくない人にも多くの仕事が選べます。安心して自分に合った環境を体験してください
他事業所との違い

職員の違い
(専門知識と経験年数)
Professionals
- 最低人数だけの他事業所と比べ、常勤4名と非常勤5名による手厚いサポート
- 精神保健福祉士など、専門知識のあるスタッフ在籍
- 経験年数が長く、知識のある専門職員

仕事の違い
(AI時代に価値の高い仕事)
Works
- AIが出来るようなイラスト作成ではなく、自然・アートなどの仕事
- 下請け作業ではなく、自社商品開発
- 単価の安い作業ではなく、高単価&高い工賃を目指す取り組み