横須賀市で精神障害のある方が就労継続支援 B 型を利用するための徹底ガイド

精神障害 × 就労継続支援 B 型

横須賀市の徹底ガイド

— 横須賀市内で実際に提供されている支援の考え方・作業の具体例・サービス利用開始までの流れ・よくある質問までを網羅的に解説 —

神奈川県横須賀市は、海に囲まれた温暖な気候と米海軍基地を抱える国際色豊かな街並みが特徴の中核都市です。病院、行政、福祉事業所が比較的コンパクトに点在しているため、精神科医療・就労系支援・地域活動支援のあいだを移動しやすいメリットがあります。本稿では 「精神障害 × 就労継続支援 B 型」 の視点から、横須賀市内で実際に提供されている支援の考え方・作業の具体例・サービス利用開始までの流れ・よくある質問までを網羅的に解説します。地元で利用を検討している当事者の方はもちろん、ご家族、相談支援専門員、医療関係者の参考資料としてもご活用ください。


1.そもそも就労継続支援 B 型とは

1-1 法律の位置づけと目的

 就労継続支援 B 型(以下「B 型」)は、障害者総合支援法に基づく 「就労系障害福祉サービス」 に分類されます。A 型との最大の違いは雇用契約を締結しない点にあり、通所時間や作業量を柔軟に調整できることから、体調の波が大きい精神障害のある方に利用されるケースが多いサービスです。目的は

  1. 生活リズムの安定
  2. 仕事を通じた社会参加・役割獲得
  3. 将来的な A 型・一般就労・ボランティア等へつなぐステップアップ
    の三点に集約されます。

1-2 利用対象と支給決定の考え方

 精神障害(統合失調症、双極性障害、うつ病、発達障害を含む)を有し、医師が“就労・社会参加の訓練に適している”と認めた 18 歳以上の方が対象です。障害者手帳がなくても、医師の診断書や意見書を添え、市区町村の審査を通過すれば「非該当・みなし指定」の扱いで受給者証が交付されることがあります。横須賀市では、高齢・障害支援課に申請書とサービス等利用計画(計画相談)の写しを提出し、概ね 1 ~ 2 週間で支給決定がおりるのが一般的です。

1-3 工賃と費用

  • 工賃 …… 作業対価として事業所から支払われる金銭。横須賀市の 2024 年度平均は 月額 12,400 円
  • 利用者自己負担 …… 原則 1 割ですが、市民税非課税世帯であれば自己負担上限は 月 0 円
  • その他実費 …… 給食費・創作材料費・レクリエーション費などは事業所規程によって実費徴収。

2.精神障害特性に合わせた 3 本柱の支援アプローチ

2-1 構造化と視覚的支援

 精神障害のある方は、体調の波に加えて「先が見えない不安」から作業パフォーマンスが低下しやすい傾向にあります。横須賀市内の B 型事業所では、1 日の流れを マグネット式スケジュールボード で掲示し、終了時刻を“赤シール”で明示するなど「視覚的ゴール設定」を徹底しています。また一つの作業を 5 ~ 7 手順 に細分化し、写真+簡潔な文章で手順カードを作成。利用者は作業が終わるたびにカードを裏返すことで「進捗を視覚で確認」できます。こうした構造化は、不注意症状や緊張が強い方にも有効です。

2-2 スモールステップと成功体験

 精神障害の方は「完璧にやらなければ」と考えがちで、失敗体験が重なると極端に自己評価を下げてしまいます。そのため横須賀市の多くの事業所は “出来た” を細かく承認 する方針をとっています。例えば

  • ラベル貼り作業を 50 個単位 → 10 個単位 → 5 個単位に分ける
  • 5 個終わるごとにスタッフが「正確でした」と声かけ
  • 1 日の小目標を達成したら スタンプ を台紙に押し、30 個で小景品
    といった具合です。「小さな出来事を大きく褒める」ことで、自己効力感と継続意欲が向上しやすくなります。

2-3 具体的コミュニケーションと社会スキル

 横須賀市は公共交通の便が良く、市内で完結する外出プログラムを組みやすい環境にあります。ある事業所では 「買い物訓練」 と称し、月 1 回だけ近隣のスーパーへ徒歩移動し、利用者が 300 円以内で好きな飲み物やお菓子を購入。レジでは「袋いりません」を伝える練習をします。これにより

  • 金銭取引
  • 店員との短い会話
  • 集団行動
    の 3 要素を同時に体験でき、「社会での立ち振る舞い」を成功体験として刻めるのがメリットです。

3.横須賀市 B 型事業所における代表的な作業

作業ジャンル具体事例習得スキル・メリット
軽包装ノベルティ封入、ギフト用タオル袋詰め手順遵守・数量確認・集中力
食品製造補助パン計量、焼菓子袋詰め、賞味期限印字確認衛生管理・基本計数・品質チェック
清掃公共施設の日常清掃、事業所内清掃道具管理、身体活動でストレス発散
農園ハーブ・サツマイモ栽培、草取り季節感覚、五感刺激、チームワーク
パソコン名簿入力、アンケート集計、名刺作成タイピング、簡単な表計算、ビジネスマナー
リサイクルアルミ缶圧縮、古紙分別、PET キャップ回収分別意識、工程管理、安全作業

:横須賀ならではの“海軍カレー関連品”や“観光土産”ラインも一部存在しますが、全体の 1~2 割程度に留まります。したがって「海軍グッズでなければ横須賀らしくない」というわけではなく、まずは本人の得手不得手・体調に合わせて作業を選ぶことが重要です。


4.横須賀市のB型事業所の平均工賃

  • 2024 年度 横須賀市平均:月 12,400 円
  • 時給換算イメージ(週 4 日×4 h)
    • 軽包装   … 120 ~ 160 円
    • 食品補助  … 150 ~ 200 円
    • パソコン補助 … 200 ~ 250 円

B 型は 賃金ではなく「工賃」 が支払われます。最低賃金の適用外とはいえ、横須賀市では工賃向上計画(※市の独自加算事業)が進んでおり、作業品質が上がるほど工賃も伸びる仕組みが整備されつつあります。


5.利用開始までのステップ(精神障害の方向けフロー)

  1. 主治医に相談
    診察時に「無理なく働く練習をしたい」と意思を伝え、意見書(就労可能・留意事項)をもらう。
  2. 相談支援専門員と面談
    生活状況・希望作業・通所可能時間帯を共有し、サービス等利用計画案を作成。
  3. 区役所(高齢・障害支援課)で受給者証申請
    医師意見書・計画案とともに申請。通常 1〜2 週間で交付。
  4. 事業所見学・体験
    3 か所程度を目安。初日は 2 h → 2 日目 3 h → 3 日目 午前のみ作業…と段階的に時間を伸ばす。
  5. 利用判定会議(事業所内部)
    “作業適性・安全面・医療連携の可否” を総合評価し受け入れ可否を決定。
  6. 利用契約・個別支援計画(ISP)策定
    3 か月ごとの小目標:
    • 「週 3 日通所継続」
    • 「作業正確率 95 %」
    • 「コーピングリスト実践件数 5 回/月」
  7. 本利用開始 → 定期モニタリング
    体調メモ・工賃推移・作業正確率を月次レビュー。必要に応じ医師・看護師・家族とケース会議を行う。

6.よくある質問(FAQ)

QA
医療費やデイケアと重複しない?B 型は福祉サービスなので医療費とは別枠。デイケアとの併用は主治医が認めれば可能ですが、体力的負荷を加味して曜日を分けるのが一般的。
欠席が多いと退所させられる?無断欠席が長期間続く場合を除き、基本は体調優先でペース調整。長期休養後は「在宅支援(ZOOM 体操・電話面談)」を実施する事業所もある。
精神障害でも将来的に A 型や一般就労へ行ける?統合失調症や双極性障害でも十分事例あり。横須賀市は A 型事業所数も多いため、B 型 → A 型 のステップアップルートが組みやすい。
家族への支援は?連絡帳・面談・家族会(月 1 回)の三本柱。服薬管理や金銭管理の悩みも家族会で共有しピアサポートが受けられる。

おわりに

 横須賀市の B 型事業所は、「構造化」「成功体験」「社会スキル」 という就労支援の基本を踏まえつつ、精神障害のある方特有の体調波・気分変動に柔軟に対応するプログラムを備えています。地域特性を過度に演出するのではなく、“どの事業所でも再現できる標準的な支援” を丁寧に実行 する姿勢こそが、利用者が安心して長く通える土台です。

 まずは信頼できる相談支援専門員や主治医と連携しながら、「短時間体験」→「小さな成功体験」→「週 3 日定着」 のサイクルを回してみてください。自分のペースで続けられる作業と支援チームに出会えれば、生活リズムが整い、将来の選択肢(A 型・一般就労・在宅ワーク等)が自然と広がっていくはずです。横須賀市という住み慣れた地域で、あなたらしい働き方を見つける一歩を踏み出してみませんか。


私たちのB型事業所(横須賀市内)

法人代表 栁瀨和浩

東京福祉大学卒業 社会福祉士
サラリーマン、花屋を経て障害福祉経験13年。神奈川県内の障害者雇用に積極的な会社とのつながりが多い。(東京都出身)

代表の柳瀬和浩です。2010年から就労系障害福祉サービスの運営をしています。

私たちの事業所は「やさしさ」を行動の中心にしています。職員はメンタルのプレッシャーを与えないように、接する態度だけでなく仕事内容も全て調整しています。フラワーショップはありますが、花を触りたくない人にも多くの仕事が選べます。安心して自分に合った環境を体験してください

他事業所との違い

職員の違い
(専門知識と経験年数)

Professionals

  • 最低人数だけの他事業所と比べ、常勤4名と非常勤5名による手厚いサポート
  • 精神保健福祉士など、専門知識のあるスタッフ在籍
  • 経験年数が長く、知識のある専門職員

仕事の違い
(AI時代に価値の高い仕事)

Works

  • AIが出来るようなイラスト作成ではなく、自然・アートなどの仕事
  • 下請け作業ではなく、自社商品開発
  • 単価の安い作業ではなく、高単価&高い工賃を目指す取り組み

〒237-0064 


神奈川県横須賀市追浜町3丁目17-24

追浜駅

徒歩 2

営業時間 9:00-17:00(土・日・祝日除く)