【横浜市版】知的障害のある方に向けたB型事業所の詳細ガイド

知的障害×B型事業所
自分に合う環境探しに
— 横浜市の状況を踏まえながら、その特徴、支援内容、活動の具体例を詳しく解説 —
知的障害のある方を主な対象とする就労継続支援B型事業所について、横浜市の状況を踏まえながら、その特徴、支援内容、活動の具体例を詳しく解説します。知的障害のある方がB型事業所を利用する目的は、工賃を得ることだけでなく、日中の豊かな活動を通じて、生活スキルや社会性を身につけ、一人ひとりが持つ力を発揮して、地域社会の中で役割を持つことに重きを置かれています。
そのため、事業所の支援は「仕事の訓練」と同時に「日中活動の充実」という側面を強く持っています。
1. 支援における3つの大きな柱
知的障害のある方を対象とする事業所は、利用者が安心して力を発揮できるよう、主に以下の3つの柱を軸に支援を組み立てています。
① 構造化と視覚的支援
「今、何をすべきか」「次は何か」が分かり、見通しを持って一日を過ごせる環境づくりが基本となります。
- 時間と空間の構造化: 「朝の会→作業①→休憩→作業②→昼食…」といった一日の流れが固定されており、毎日の生活リズムが作りやすくなっています。活動ごとに部屋が分かれているなど、空間的な区切りも明確です。
- 視覚的な手がかりの多用: 言葉による説明だけでなく、写真やイラスト、絵カードを使った「手順書」が作業台に貼られています。時計の読み方が苦手な方のために、活動の始まりと終わりを色やイラストで示すなど、視覚的に理解できる工夫が豊富です。
- 明確なルール: 「道具は使ったら元の場所に戻す」「困ったときはスタッフに声をかける」といったルールが分かりやすく掲示され、全員が安心して過ごせるように配慮されています。
② スモールステップと成功体験
自信を持って作業に取り組めるよう、「できた!」という経験を積み重ねることを非常に大切にします。
- 作業工程の分解: 例えば「箱を組み立ててシールを貼る」という作業があれば、「①箱を開く」「②底を組む」「③シールを取る」「④真ん中に貼る」というように、一つひとつの工程を細かく分解して教えます。
- 繰り返しによる習熟: 同じ作業を繰り返し練習することで、最初はできなかったことでも着実にできるようになります。この過程を通じて、集中力や持続力も養われます。
- 肯定的なフィードバック: 「きれいにできたね」「いつもより速いね」など、できたことを具体的に褒めることで、本人のやる気を引き出し、自己肯定感を育みます。
③ 具体的なコミュニケーションと社会性の育成
仕事のスキルだけでなく、地域で生きていく上で必要な社会性を育むことも重要な支援の一つです。
- 具体的で分かりやすい言葉がけ: 「あれやっといて」のような曖昧な指示は避け、「〇〇さん、この青い箱を、あちらの棚に運んでください」というように、具体的で分かりやすい言葉で伝えます。
- 基本的な社会スキルの習得: 作業を通じて、挨拶、返事、報告・連絡・相談(ほう・れん・そう)、感謝の言葉などを自然に使えるように支援します。
- 余暇活動の充実: 誕生会や季節のイベント(クリスマス会、お花見など)、日帰り旅行といったレクリエーション活動を多く取り入れ、仲間と楽しむ経験や社会のルールを学ぶ機会を提供します。
2. 横浜市内の事業所で見られる具体的な活動内容
横浜市内の知的障害のある方向けB型事業所では、地域や企業のニーズと利用者の特性を掛け合わせた、多様な活動が行われています。
カテゴリー | 具体的な活動内容の例 | この活動が向いている人・得られること |
軽作業 | ・部品の組み立て: 文房具や簡単な機械部品の組み立て。 ・検品・選別: 製品に傷がないか、異物が混入していないかのチェック。 ・箱折り・袋詰め: 商品を入れる箱を折ったり、商品を袋に詰めたりする。 | ・手先を使う細かい作業が好きな方。 ・一つひとつ着実に進める仕事が得意な方。 ・集中して物事に取り組む力を養いたい方。 |
食品製造・加工 | ・パン・クッキー作り: 生地作りから成形、焼き上げ、袋詰めまでを行う。 ・お弁当・お惣菜作り: 地域や企業向けのお弁当の調理や盛り付け。 ・野菜のカット・袋詰め: スーパーなどに出荷するための野菜の加工。 | ・食べ物に関心がある方。 ・チームで協力して作業するのが好きな方。 ・衛生管理や調理の基本スキルを学びたい方。 |
清掃・環境整備 | ・施設外就労: 地域の企業や公共施設に出向き、清掃作業を行う。 ・公園・緑地の管理: 公園の草むしりや落ち葉掃きなど。 ・ビルメンテナンス: 廊下やトイレの清掃。 | ・身体を動かすことが好きな方。 ・きれい好きで、整理整頓が得意な方。 ・地域に貢献している実感を得たい方。 |
農作業・園芸 | ・野菜やハーブの栽培: 畑やプランターで種まきから収穫までを行う。 ・収穫物の販売: 事業所の軒先や地域のイベントで採れた野菜を販売する。 | ・自然や土に触れることが好きな方。 ・作物を育てる過程を学びたい方。 ・身体を動かしながら、季節を感じたい方。 |
リサイクル活動 | ・牛乳パックの再生紙作り: 回収した牛乳パックで、はがきや名刺を作る。 ・アルミ缶のプレス: 回収したアルミ缶をプレス機で潰す。 | ・環境問題に関心がある方。 ・手順が明確で、繰り返し行う作業が好きな方。 |
3. 自分に合った事業所を見つけるためのチェックリスト
ご本人やご家族が事業所の見学・体験をする際に、ぜひ確認してほしいポイントです。
【環境について】
- ☐ 1日のスケジュールが分かりやすく提示されているか?
- ☐ 作業手順などが絵や写真で示されているか?(視覚的支援)
- ☐ 明るく、安全で、清潔な環境か?
- ☐ 利用者に対して、スタッフが丁寧な言葉で話しているか?
- ☐ 本人にとって、活動内容や周りの騒がしさが刺激的すぎないか?
【活動内容について】
- ☐ 本人が興味を持てる、または、できそうな作業はあるか?
- ☐ 作業の難易度は、本人の力に合っているか?(簡単すぎず、難しすぎない)
- ☐ 疲れた時に休憩できるスペースや仕組みはあるか?
【スタッフの支援について】
- ☐ スタッフは、本人が分かる言葉を選んで、根気強く説明してくれるか?
- ☐ できたことを具体的に褒めてくれるなど、肯定的な関わりをしてくれるか?
- ☐ 本人の「やりたい」という気持ちを尊重してくれるか?
【事業所の雰囲気について】
- ☐ 利用者さんたちは、安心して、楽しそうに活動しているか?
- ☐ ご家族として、この事業所に安心して本人を預けられると感じられるか?
知的障害のある方にとってのB型事業所は、単なる「働く場所」ではなく、日中の生活の大部分を過ごす**「生活の拠点」であり、「学びと成長の場」**です。横浜市には、長年の歴史を持つ事業所から新しいスタイルの事業所まで、多くの選択肢があります。ご本人のペースを大切にしながら、長く安心して通い続けられる場所を、専門家と相談しながらじっくりと探していきましょう。
私たちのB型事業所(横浜市内)
法人代表 栁瀨和浩

東京福祉大学卒業 社会福祉士
サラリーマン、花屋を経て障害福祉経験13年。神奈川県内の障害者雇用に積極的な会社とのつながりが多い。(東京都出身)
代表の柳瀬和浩です。2010年から就労系障害福祉サービスの運営をしています。
私たちの事業所は「やさしさ」を行動の中心にしています。職員はメンタルのプレッシャーを与えないように、接する態度だけでなく仕事内容も全て調整しています。フラワーショップはありますが、花を触りたくない人にも多くの仕事が選べます。安心して自分に合った環境を体験してください
他事業所との違い

職員の違い
(専門知識と経験年数)
Professionals
- 最低人数だけの他事業所と比べ、常勤4名と非常勤5名による手厚いサポート
- 精神保健福祉士など、専門知識のあるスタッフ在籍
- 経験年数が長く、知識のある専門職員

仕事の違い
(AI時代に価値の高い仕事)
Works
- AIが出来るようなイラスト作成ではなく、自然・アートなどの仕事
- 下請け作業ではなく、自社商品開発
- 単価の安い作業ではなく、高単価&高い工賃を目指す取り組み