就労継続支援B型事業所について、利用者の主な障害種別による特徴や支援内容の違い

B型事業所の障害種別
特徴や支援内容
— 精神障害・知的障害・身体障害・発達障害 —
大前提:制度上の「種類分け」はありません
まず最も重要な点として、法律や制度の上でB型事業所が「精神障害専門」「知的障害専門」といった形で公式に分類されているわけではありません。障害者総合支援法に基づくサービスであり、利用が認められた方は、障害種別にかかわらずどの事業所でも利用することが可能です。
しかし実際には、各事業所が持つ支援ノウハウ、スタッフの専門性、提供する作業内容、そして事業所の雰囲気などから、結果的に特定の障害特性を持つ方が利用しやすかったり、多く在籍していたりする「実態としての専門性」や「特色」が生まれています。
ここでは、その「特色」に焦点を当てて、障害種別ごとに詳しく解説します。
1. 主に「精神障害」のある方を対象とする事業所
キーワード:安心感、自己決定の尊重、柔軟性
精神障害(統合失調症、うつ病、双極性障害、不安障害など)のある方は、症状や体調に波があること、また、ストレスや環境の変化に敏感な場合が多いことを前提とした支援が中心となります。
- 環境・雰囲気
- プレッシャーの少ない、静かで落ち着いた雰囲気であることが多いです。
- 一人で集中できる個別スペースやパーテーションを設けている場合があります。
- 利用者同士が適度な距離感を保てるよう配慮されています。
- 支援のスタイル
- 体調の波への配慮: 「週1日、2時間だけ」といった短時間からの利用や、当日の急な休み・早退にも柔軟に対応してくれます。まずは「安定して通う」ことを第一目標に据えることが多いです。
- 自己決定の尊重: その日の体調によって作業内容を選べたり、休憩を自分のタイミングで取れたりするなど、本人の意思を尊重する場面が多くあります。
- 対話と傾聴: スタッフは相談援助の専門性が高く、本人の話にじっくり耳を傾け、心理的なサポート(精神的な安定)を重視します。
- 活動内容の傾向
- 自分のペースで進められる仕事が中心です。
- 例: PC作業(データ入力、Webライティング)、クリエイティブワーク(デザイン、イラスト制作、ハンドメイド品の製作)、事務作業の補助(書類整理、封入作業)など。
2. 主に「知的障害」のある方を対象とする事業所
キーワード:分かりやすさ、構造化、成功体験の積み重ね
知的障害のある方に対しては、見通しを持って安心して活動に取り組めるよう、具体的で分かりやすい支援が中心となります。
- 環境・雰囲気
- 1日のスケジュールが明確に決まっており、日課として安定した流れの中で過ごします。
- 明るく、アットホームで、利用者同士やスタッフとのコミュニケーションが活発な雰囲気の事業所が多いです。
- 作業の手順が写真やイラストで掲示されるなど、視覚的な支援(構造化)が豊富です。
- 支援のスタイル
- スモールステップ: 作業工程を細かく分け、一つひとつ丁寧に教え、できることを着実に増やしていきます。「できた!」という成功体験を積み重ね、自信につなげることを大切にします。
- 具体的な指示: 「あれをやって」といった曖昧な指示ではなく、「この箱に、赤いシールを1枚貼ってください」のように、誰が聞いても分かる具体的な言葉で伝えます。
- 繰り返しと習慣化: 同じ作業を繰り返し行うことで、仕事のスキルだけでなく、挨拶や報告といった社会生活の基本的な習慣を身につけることを目指します。
- 活動内容の傾向
- 手順が明確で、完成形が分かりやすい仕事が中心です。
- 例: 軽作業(部品の組み立て、検品、箱折り)、食品製造・加工(パン・クッキー作り、野菜の袋詰め)、清掃、農作業など。
3. 主に「身体障害」のある方を対象とする事業所
キーワード:バリアフリー、アクセシビリティ、能力の最大化
身体障害のある方を対象とする事業所では、物理的な障壁を取り除き、持っている能力を最大限に活かせる環境づくりが中心となります。
- 環境・雰囲気
- 事業所内は段差のないバリアフリー設計が徹底されています。車椅子対応のトイレや広い通路、自動ドアなどが整備されています。
- 机の高さや椅子の種類を調整できるなど、一人ひとりの身体状況に合わせた作業環境が整えられています。
- PCの音声入力ソフトや特殊なマウスなど、**支援技術(アシスティブ・テクノロジー)**の活用に積極的です。
- 支援のスタイル
- 本人の残存能力や得意なことを活かせるよう、仕事内容や役割を個別に調整します。
- 身体的な負担が少なく、安全に作業が進められるよう、環境設定や道具の工夫を重視します。
- 活動内容の傾向
- 身体的な動作が少なくても行える、専門的なスキルや知識を活かした仕事が多いです。
- 例: PC作業(Webデザイン、プログラミング、CAD設計)、事務代行、電話オペレーター業務、DTP(印刷物のデータ作成)、精密な手工芸品製作など。
4. 主に「発達障害」のある方を対象とする事業所
キーワード:特性の理解、構造化、強みを活かす
発達障害(ASD、ADHD、LDなど)のある方に対しては、その人の持つ特有の認知や感覚の特性を深く理解し、それに合わせた環境調整や支援を行うことが中心となります。
- 環境・雰囲気
- 感覚への配慮: 聴覚過敏の方のために静かな環境を用意したり、視覚情報が多いと混乱する方のためにシンプルな内装にしたりと、感覚刺激への配慮がなされています。
- パーテーションで仕切られた集中ブースが用意されていることが多いです。
- 「暗黙の了解」をなくし、ルールや指示が明確に言語化・可視化されています。
- 支援のスタイル
- 得意を活かす: 特定の分野への強い興味やこだわり、高い集中力といった特性を「強み」と捉え、それを活かせる仕事内容をマッチングします。
- 見通しと具体性: スケジュールや作業手順を視覚的に提示し、見通しを持てるようにします。「あとどれくらいで終わるか」が分かることも重要です。
- コミュニケーションの工夫: 曖昧な表現を避け、具体的で肯定的な言葉で伝えます。対人関係のトレーニング(SST)を取り入れている事業所もあります。
- 活動内容の傾向
- 本人の興味・関心や得意なことと直結している場合が多く、非常に多岐にわたります。
- 例: IT・Web関連(プログラミング、デバッグ、Webサイトテスト)、デザイン、映像編集、校正・校閲、研究データ入力、精密なクラフト製作など。
結論:あなたに合った事業所を見つけるために
繰り返しになりますが、上記の分類はあくまで「傾向」です。最も大切なのは、事業所のラベルではなく、あなた自身が「自分に合う」と感じられるかどうかです。
複数の事業所を実際に見学・体験し、その場の雰囲気やスタッフとの相性を肌で感じてみてください。そして、あなたのことをよく知る相談支援専門員や、地域の情報を熟知している区役所の担当者に相談しながら、最適な場所を一緒に見つけていくことが成功の鍵となります。
私たちのB型事業所(横浜市内)
法人代表 栁瀨和浩

東京福祉大学卒業 社会福祉士
サラリーマン、花屋を経て障害福祉経験13年。神奈川県内の障害者雇用に積極的な会社とのつながりが多い。(東京都出身)
代表の柳瀬和浩です。2010年から就労系障害福祉サービスの運営をしています。
私たちの事業所は「やさしさ」を行動の中心にしています。職員はメンタルのプレッシャーを与えないように、接する態度だけでなく仕事内容も全て調整しています。フラワーショップはありますが、花を触りたくない人にも多くの仕事が選べます。安心して自分に合った環境を体験してください
他事業所との違い

職員の違い
(専門知識と経験年数)
Professionals
- 最低人数だけの他事業所と比べ、常勤4名と非常勤5名による手厚いサポート
- 精神保健福祉士など、専門知識のあるスタッフ在籍
- 経験年数が長く、知識のある専門職員

仕事の違い
(AI時代に価値の高い仕事)
Works
- AIが出来るようなイラスト作成ではなく、自然・アートなどの仕事
- 下請け作業ではなく、自社商品開発
- 単価の安い作業ではなく、高単価&高い工賃を目指す取り組み